High and dry

それが魔法というものなら 死ぬまで解けないかも

はじまりのみち(原恵一/2013)

公開初日の東劇に行ってきました。朝早かったー!(笑)平日よりも早起きしたよ。そして朝っぱらから泣かされてきたよ。

ざっくりした内容ですが舞台挨拶のレポ的なものと、ネタバレなしの感想です。


  • 加瀬くんの衣装は、ネイビーのスーツに白シャツにネクタイなし。登壇者の中でいちばん地味め(笑)(シックと言いなさい)。靴は見えなかった。
  • 最初の挨拶
    • 加瀬くん「今日はありがとうございます。今日までたくさん宣伝をしてきたので、こうして皆さんに観てもらえて嬉しく思います。今日はよろしくお願いします」
    • ユースケさん「大変なこともあったけれどそれを凌駕するくらい楽しい撮影で、俺たちこの作品に関わったんだぜ! っていう証を残したいねって、「みち」ってタトゥーをみんなで入れよう! って。あれは加瀬くんが言ったんじゃなかったかな」加「言ってないって(笑)」ユ「ちなみに僕は入れました、濱田くんも入れました(真顔)」
  • 撮影時のエピソードなど
    • 司会の方「山越えのシーンはとても寒くて大変だったとお聞きしました。加瀬さん、撮影はいかがでしたか?」加「ちょっとユースケさんなんか喋って(笑)」とニヤけ顔で丸投げ……を通り越してブン投げ(笑)ひどい男だよ(笑)
    • ユ「いやもうほんとに寒くって! 僕はカイロを20個くらい貼りまして。もうユースケ貼りっていう名前がついて。映ってないけど、実は歩きながら足下からカイロが落っこちたりしてるんです。合間にずっと、寒い寒い言い合ってましたね。でも二人(加瀬くんと濱田くん)はカイロ2個くらいしか貼ってないんですよ」加「ユースケさんはだから大げさなんです(笑)」
    • 濱田くん「僕はお二人に比べたら厚着だったので正直ぜんぜん寒くなくて…。でも先輩二人がカットがかかるたびに凍えていたので、平気ですって言えないなあ、と思って話合わせてました(笑)」ユ&加「それ完成披露試写会(5月23日)で初めて知ったんですよ!」
  • 日本酒好きの木下恵介監督にちなんで、樽酒の鏡割りでヒット祈願
    • 加瀬くんの「はじまりのみち」の掛け声→お客さんも含めた全員で「大ヒット!!」→鏡割り、という流れでお願いします、とのこと。「え、俺がやるの?」と誰にともなく呟く加瀬くん(あなたしかいないでしょうが!)。戸惑う加瀬くん。「譲りましょうか?」とすかさずユースケさんに丸投げしようとする加瀬くん(笑)
    • ユ「俺は、(グーにした右手を上に突き上げながら)“大ヒット!”がんばるからいいよ。(客席に向かって)みんなも恥ずかしがらないで頼むよ?」
    • 加「はじまりのみち〜!」 ←がんばってました(笑)
  • マスコミ向けの写真撮影
    • タイトルが書かれたパネルの後ろで、真ん中にぎゅっと寄って撮ります。「笑顔でお願いしま〜す」というカメラマンのリクエストに、「ユースケ寿司、本日開店です」「築地にオープンしました」「二号店もあります」とか言ってみんなを笑わせてくれるユースケさん。ユースケさんの言動すべてにいちいち感動していたわたし。
  • 樽酒をセッティングしたりマイクを回収したりっていうほんのちょっとした合間もずっとこしょこしょ喋ってるユースケ&亮兄弟。というか主に加瀬くんがユースケさんにちょっかい出してた。なんて仲良し>< かわいかった><

最後の挨拶

  • 加「今日は初日から観ていただいてありがとうございます。この映画が広がっていくこと、木下恵介監督の映画がまた観られること、そして新旧の映画の発展を願って、終わりにしたいと思います」

田中裕子さんや斉木しげるさんのお話は、ストーリーに直接触れてしまうのでぜんぶは書けないけれど、浜松出身の斉木さんが「濱田くんの遠州弁は完璧!」と言っていましたね。田中さんはチャーミングな方ですねえ…。「わたしはセリフもすごく少ないですし、ずっとリヤカーに乗ってましたから、楽させていただきました。超ラッキーだなあ、と思ってましたよ」なんて、あの、ものすごく素敵な声で言うわけです。おかあさーん!

で、ここから感想。

いやーー、良かったです。しみじみと良作だなあと思う。
名匠の一代記にせず、若かりし頃の挫折と再生、まさに「はじまり」にフォーカスを当てたのがとてもいいなあと思いました。その描きたいポイントをしっかり押さえた構成と演出と俳優たちの演技と……それらすべての統制のとれた輝きがちゃんと画面に映し出されているというか。なんて言うんでしょう、俳優が物語の邪魔をしていないのです。物語そのものに感動しながら、そういう部分にも静かに感動してました。

加瀬くんはもう何やっても大好きな俳優さんだから今回もそりゃあグッときまくりなんだけど、この人物像はこの人しか演じられないよなあと思わされました。今作で描かれる木下青年と映画全体に感じる「静かな熱」は、俳優・加瀬亮のイメージそのもの。
あとは何しろ濱田岳くんがものすごい良かったー! すごかったー! 途中何度か「濱田岳劇場」だったよ。わたしから助演男優賞20個くらいあげます。というかたぶんこの作品で賞いっぱい取るんじゃないかな?
そして田中裕子さんの存在感に圧倒されること必至。

木下恵介監督生誕100周年記念」という大きな看板ありきの作品なので、そこは念頭において観るべき…なんでしょうけれど、すごく丁寧で真っ直ぐな映画だなと思いました。また観に行こうっと。