High and dry

それが魔法というものなら 死ぬまで解けないかも

マシーン日記@東京芸術劇場

東京芸術劇場リニューアル記念「マシーン日記」 2013.3.19 東京芸術劇場シアターイースト

f:id:april7sg:20130320004022j:plain

二時間と少し、真夏のまとわりつくような暑さの中、熱に浮かされたように夢中だった。
狂気と毒をこれでもかと浴びせられて、それでも、気持ちよかったんだよなあ。あのうねり、あのドライブ感…なんたる爽快感! 松尾さんの描く狂気はドロドロと人間臭くて、そして美しい。これだから松尾さんが好きだ、松尾さんが書くお芝居が好きだ。

俳優陣みんなかっこよかった! 特に女優陣!!
峯村さんはこの舞台をぐいぐい引っ張っていたなあ…立ってるだけで男前。杏ちゃんの細いけど決してスタイルは良くないという体がまた「それでこそサチコ(役名)」な感じで、やけにリアルでどきどきしたし、手足にできたたくさんの痣がこの舞台の過酷さを物語っていて、余計ぐっときてしまいました。

マシーン日記を初めて観たのは日テレでやっていた「演技者。」でした。そしてそれが、わたしが初めて観た松尾さんの作品。とはいえあのときの演出家は違う人*1だったので、10年経ってようやく本家が観れた! と感慨もひとしお。

うん、ほんと、あの出合いは忘れないです。
夜中に眠れなくてつけたテレビからなんとも不穏な空気がだだ漏れていて、暗くて重くて痛くてエグいその世界から目が離せなかった。なんだこれは…と思ったらその異様な空間でブチ切れた芝居をしているのがなんと(森田)剛くんで、うわージャニーズもこんなヘヴィなドラマやるんだなあ、と思ったら4人しかいない登場人物がみんなそれぞれにキレてて、塚本(晋也)さんとかもうめちゃめちゃこわかったもの…。
んで、少路くんのミチオを見ながらあのときの剛くんがフラッシュバックしたり、観ていないはずの(片桐)はいりさんバージョンのケイコが峯村さんに重なったり、松尾ちゃんバージョンのアキトシがオクイさんに重なったり、そういうのもすごく面白い感覚だった。
2001年版を観たい気持ちが、また再熱してしまったりも。はいりさんのケイコはもっともっと狂気の人だったんじゃないかな。

余談ですけど、少路くんのあのビジュアルが好みすぎた。柄シャツ・黒髪短髪おでこ出し・粗暴だけど憎めない……って相変わらずチンピラ風情が好きです。

*1:大根仁さん