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High and dry

それが魔法というものなら 死ぬまで解けないかも

五十嵐隆@NHKホール

五十嵐隆「生還」 2013.5.8 NHKホール

はーーー、もーーーー。なにから書こう。あうあうあうあう。
あの日のことを思い出そうとして、思い出して、嬉しいも切ないも大好きも楽しいも寂しいもぜんぶ一緒くたにやってきて胸がぎゅうううっとなる。

わたしシロップに関してはできるだけ(精神的に)のめり込まないようにというか、フラットな目線で接することを心がけていたというか、まあそんなにガチガチにそう思っていたわけではないのだけど、多少なりともそういう節があったと思うの。
それなのに、それなのにさあ、五十嵐さんが「ライブします」って久々に姿を現したと思ったらドラムが中畑大樹でベースがキタダマキだったときのわたしの気持ちがわかるかい。「やっぱり」と「まさか」の応酬で唖然とするしかなかったわたしの気持ちがわかるかい。足下からぶわわわって全身に鳥肌が立つなんて初めて経験した。

五十嵐さんがトチってお客さんが和むとか*1、相変わらず危うすぎるギターソロとか聞き取りづらいMCとか、そんなことにまで懐かしさを覚える自分が可笑しかった。
だけどたぶんほとんどのお客さんがそうだったのでは、とも思って、また可笑しい。

何よりも、この人の書く曲はほんと綺麗だなあ、やっぱり天才的なメロディメーカーだなあ、と改めて思ったし…とにかく魅力的なあの声とか。

今後の活動については何ひとつ名言されなくて、リズム隊ふたりもあくまでもサポートとして参加したようだから「シロップ復活」なわけではないし言ってしまえばすごく「ぼんやり」した状態の中行われたライブだったけど、この人がステージに立って歌っている今この瞬間だけがすべて、みたいな感じっていうのはすごく五十嵐さんらしいなあ…というか。
ステージの神様とか音楽の神様みたいなもの、そういうの信じているわけじゃないけれどもしもいるとして、その神様からものすごおおく愛されながら同時に拒絶されている感じ、が、この人の稀有な存在感につながっているのかな…とか。
だからいつもステージ上でたった一人きりみたいな、見えないなにかと戦ってるみたいな印象を受けるのかなあ、それはしんどいはずだよなあ、とか。
あちこちに飛躍する思考のままに。

「もう20年くらい前にできた曲。中畑くんちにチャリ漕いで聞かせに行ったときのまま、歌詞だけ新しく書いてきました」と言ってワンコーラスだけ歌われた翌日のオリジナルバージョンがまたすっごくきれいな曲で、『あなたの傷跡になりたかったんだ』という最後のフレーズを聴いてそこでようやく涙が出た。べつに泣きたかったわけじゃないのになぜか「やっと泣けた」と思った。
おなじみの翌日のイントロからはもう、放っておいても泣けて泣けてしょうがないし。

それにしてもだいきちゃんとマキリンのリズム隊ってほんとうに鉄壁で、なんならパワーアップしてて、「これだよこれ!」感がハンパなかった。
だいたいわたしはシロップで叩いているだいきちゃんが大好きだから、だいきちゃん出てきちゃったらそりゃだいきちゃんばっかり見ちゃうしそんなのはもうどうしようもないことなのです。だいきちゃん一段とタイトでキレッキレでものすごいかっこよかった。

夢のようです。またこういう日がくるなんて半年前までは思ってませんでしたから。あんまり普段こういうこと言わないんですけど、ほんとたくさんの人に感謝だなと思って…。UKPの遠藤さん、ヴィンテージロックの若林さん、支えてくれたスタッフ、来てくれたお客さんに感謝してます。それから、いろんな感情があったと思うけど、引き受けてくれたメンバーふたりにももちろん感謝しています。

とダブルアンコールの前に話していて、ああ、今後のことはほんとに何も決めてないし考えてないんだなあと思った。きっとこのライブのあとで考えるんだろうな、と。
とにかくまたステージに立ってくれた、その喜びと感謝を伝えてくれた、素晴らしいライブだった。それだけで伝わるものはたくさんあったし、受け取ったつもりです。



親類一同からお花が届く五十嵐さんちの隆くん。



終演後のNHKホール。放心。


【セットリスト】
1.Reborn
2.Sonic Disorder
3.神のカルマ
4.I・N・M
5.生活
6.赤いカラス
7.新曲
8.新曲
9.新曲
10.新曲
11.新曲
12.明日を落としても(弾き語り)
13.センチメンタル
14.月になって
15.落堕
16.天才
17.coup d'Etat〜空をなくす

−en.1−
18.パープルムカデ
19.リアル

−en.2−
20.翌日

*1:一曲抜かして次の曲始めちゃって、「失礼しました!」って言ってた(笑)