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High and dry

それが魔法というものなら 死ぬまで解けないかも

横道世之介(沖田修一/2013)

そういえば今月初めに観てきたのですが、感想を書いていなかったので今さらながら書いてみる。

うーん、と。えっとね。ひとことで言うと、ザ・想定内! かなあ。
でもこれは悪い意味ということでもないのだ。
もともと小説の読者だったことや、キャストを見て想像していたことや、予告を見て感じていたことが、過不足なく目の前で繰り広げられていたので、期待外れではまったくなかった。期待以上、というわけでもなかったことがだから残念と言えば残念なんだけども。
あのラストを迎えるまでのカタルシスは、完全に小説の方が大きかった。映画の長回しもよかったけどね。

横道世之介という作品は、当人ですら見過ごしてしまいがちなくらいの「特別ではない」毎日の積み重ねと、しかし確かにあれは「特別」だったのだとふと気づいたときの温かさとほんの少しの切なさ、みたいなものが肝心のところで、小説のエピソードをほぼ取りこぼすことなく2時間40分もの長尺の中で「その瞬間」だけをひたすら描き切ったというのは素晴らしいことだなあ、と思うのです。
沖田監督の作品への愛、登場人物たちへの愛、役者への愛があたたかかった。

そうそう、綾野くんと眞島さんのツーショットは予想通り絶品でした。
でもあのシーンの、小説の帯にまでなった重要なあのセリフ、綾野くんの言い方はなんかちょっと違った! 加藤、そうじゃない! そっちじゃないんだよー!